top of page
  • 執筆者の写真Aya

眠りは、あの世に行ってる体験だって実感したこと。

あの世に行った夢をみた。



時々、不思議な夢をみることってないだろうか。


まぁ、そもそも夢に秩序なんてないから不思議じゃない夢なんてないのだけれども・・・。



今朝の私は「あ、夢か・・・」と、こちら側に戻ってきた時に、涙が出てることに気づいた。




なんとなく感じることがあったので


起きぎわにふと、思い出したから記憶を辿って書いてみることにした。





夢のなかの私はどこかへ行こうとしていて


バスのような、電車のような長い通路の脇に座席が並ぶ乗り物に乗っていた。


乗っているといっても、私はちょうど真ん中あたりで佇んでいて「ここがどこか把握していない」ところからはじまった。




その乗り物から見える景色は、右も左も海だった。


乗り物が走っている道に、海水が水しぶきを揚げて道へ侵入してきている。


どんどん海面に沈んでいくので、私は窓から海水が入ってこないのか不安になった。





乗り物のなかを見渡すと、ちらほらと人らしき気配がするが、焦点がぼやりとしてはっきりと見えない。


運転手に聞きにいこうとするが、影しか見えない。


それでも、前に行こうとする手前で、老人に声をかけられた。


痩せて顎はしゃくれ、しわしわで年老いた木のような老人だ。


何をいってるかは聞き取れなかったが「邪魔だ、うるさい」と言う怪訝な顔をして


去れとばかりに、窓を開け、その先の風景を見ている。


面白いことに乗り物は海水の中に半分近くは入りつつあり、まるで水陸両用のバスのようになっていた。


私は、今何が起きているか把握するのにはこの老人しか手立てがなかった。


老人と共に窓の外を見ていると海水との間に、出店みたいなものを出している人のような影が現れてきた。



へぇ・・


こんな環境で何を売ってるんだろう?


魚介かな?と見ていると老人は



「あそこは狼を売ってるんじゃ」とこちらを振り返ることもなく言う。


知っていることを得意げにしている様子だ。






私は狼が好きだ。


日本では絶滅してしまったことによって、生態系が崩れ大量に鹿が増えているそうだ。


私の実家は北海道の山奥にあるのだが、


数年前、帰省した際に、夜に道路を歩いてると鹿の親子らしき群れと目があった時に思わずジブリ映画の「もののけ姫」かっ!


と、脳内ツッコミしてしまった。


小さな頃には鹿が目の前にあらわれたことなどなかったので生態系が変わるってこういうことか・・・と、驚いた覚えがある。




昭和38年に最後の狼が捕獲され、今や日本では狼は「神話」の中の存在になっている。



けれども私の心の中に描く狼からイメージするのは月夜に向かっての遠吠えであり、シャープな野生。


日本では、大口真神として、神格化されたものでもあり「この世の魔物を退治せよ」という守り犬のシンボルでもある。



ただ、私は狼自体に憧れ、美しいものだと思ってる。


媚びない横顔、野生であり理性があるような賢さが宿る瞳。


好きになる男性も、狼顔が多い。


きっと私の中のセクシャリティを感じる男性性のシンボルが、狼なんだろうと思う。






「狼がなぜここで売ってるの?」と、窓の外を見ると


給食のケースのようなものに入れらてて、毛を剥がれた状態で豚の頭のように頭部を切り取られ並べられてる。


食肉として並べられている狼なのだろうか。



え・・そんなの悲しい。


と、私は胸が熱くなったのを感じた。


私はこの行き先を聞くことよりも、それを見てニヤつく老人に嫌悪感じた。


こういう人とは関わらない方がいい。もう話しかけることが嫌だった。



前の席へ移動すると、そこはなぜかリゾートプールの脇にあるような流線状の椅子だった。


けれども、なぜかすごく高い位置にある。



私は、この先どこにいくか不安だった。


もしかして、海水が窓から押し寄せてくるかもしれない。


けれども、誰もいく先を教えてくれる人もいない。


老人に話しかけるのは嫌だ。


モヤッとした気持ちをねじ伏せるように、うつ伏せ突っ伏したくて、その椅子に腹這いになって乗ろうとしたが


後ろから老人が何かを言ってくる。



言葉こそは聞き取れないが、「ずるいぞ」と言ってるようだ。



私は、早く腹這いになって眠るように椅子に乗りたかったが、自分の足元に編み上げのブーツをしっかりと履いていることに気がついた。


「あら?こんなブーツ履いてきたんだっけ?」


椅子に足を乗せるなら、靴を脱ぎたかった。汚れちゃうから。ルールだ。


紐で縛ったブーツを脱ぐのが嫌で、足を浮かせながらの体制で、何とか突っ伏したかった。



もう、シャットダウンしたかった。






次の瞬間、私はどこかについたらしい。


景色は全然違うところへと変わった。


上からは明かりが行燈のようにたくさん吊されてあり。黄色の明るい明かりがポワンポワンと並んでいる。



駅なのか?


なぜか、人らしきものがたくさんいる。



食事をするイートインのようなレストランのようなスペース。


その先に、扇状を分けるように駅名なのか行き先が書いたスペースが並び、各駅ごとに特徴が似通った人たちが何かを待ってる。



麻布十番のような名前の駅名のところにはでっぷりと太った私欲を肥した人が「まだ来ないのか?」と片手に食べ物を持った状態で


誰かに話しかけてる。




あんなに太りたくないな・・・と私は、思い、話しかける人を探すが、人影は多いがぼんやりとして話しかける人に焦点が合わない。



横のレストランは、皆が懐かしい逢瀬を楽しむように、各テーブルでハグしあったり、お酒を飲んだり食事をしたりしている


ガヤガヤしていて、楽しそうだが、話しかけられそうな人がいないまま ウロウロとする。



私も、食べ物をもらってこようか・・・。


流されそうになりつつも、麻布十番のような名前の先の駅に行くと


ある知っている人の声が聞こえる。誰かに話しかけながら歩いていた。





白いノースリーブのワンピース、明るめのボブへア、ミントグリーンのショートブーツ


アッ!彼女を知ってる!でも、誰だっけ?




声をかけたが、届かない。


近くに行ってみよう。



そうして彼女に声をかけるが、周りが煩くて気づいてもらえない。届かない。



私は、なぜか、シャンパンを飲んだ覚えはないが、そのような雰囲気になりつつ彼女の方へ歩いて行った。



彼女は、急に立ち止まった。


目の前に胸のあたりまで敷居があり、階段の段差のように上に並んでいる子供たちがいる


レモンイエローのサマーニットの帽子の子供たち。



子供達も、何処かへ行くのか、何かを待っている。




彼女は、そのうちの二人の男の子の頭に、手を伸ばしてタッチしながら


嬉しそうに話しかけている


「元気?また会おうね・・・・」


聞き取れないが「後でね」と声をかけていた。




彼女には、直接話しかけられなかった、というか声が届かなかった。


けれども、彼女の幸せそうな後ろ姿をずっと見ていて


なんだか心は満足していた。


元気でいて、よかった。そう思った。








私は、そもそもなぜここにいるんだっけ?と言う疑問が薄れてきていた。



食事や会話を楽しむ人々


食事をサーブする人々


どこかへ行くのを駅ごとに待つ人人


その中で、私は誰とも交えず、寂しさが出てきていた。



階段を上り、私は何も口に入れていないのに、ほろ酔いのように高揚していることに気づく。


ふわふわとして心地よい。




そういえば、この場所に着いた時から


ずっと食事を運ぶのを仕切っている支配人のような男の声がずっと響きわたっていた。




「早く運べ、もたもたするな!


時間はないんだぞ」



そして、目の前にその支配人があらわれた。


小柄で、目が垂れたスーツを着た男性だ。


顔はとあるお笑い芸人の、小さい方に似てる気もする・・・。


造形は悪くない。


けれども、ピリピリとしていて


目の奥が笑っていない。口角だけが上がっている。ちょっとクオリティが高いホテルで、こう言う人っているよねって言う


顔と、心が違って、それが表情で透けて見えるヤツだ。



日本人か?と言われるとちょっと違うようなぬるんとしたような感じもする、実態がよくわからない。





絶えず、彼の声が、この場所では響き渡り


その彼が階段の上にいる。


私は、飲んでないのにほろ酔いのようにふわふわとしながら階段を登っていこうしている。


ふと左手ににワイングラスを持っている自分がいることに気づく。



「あら?記憶にないけれど、私何か飲んだのかしら?


そうだ、ここは好きな赤ワインでも飲もうか。」



そう思って支配人の横を通り過ぎようとしたら


「どこへ行くんですか?」と聞かれる。




「私、ここがどこかわからなくて辿り着いたんです。


で・・赤ワインでも飲もうかと思って・・・」



そうすると、男は


つくり笑顔のために、細めていた目を見開いて



「あなたは、飲んではいけません」と言ってきた。




私はその嫌な感じな言い方に、カチンときて


「なぜ?」と


少々怒り気味で聞くと



「あなたはここの人ではない」と言ってくる。





「え?」どういうこと?




え? え? えーーーーーーーーーーーー?




私は、ベッドの中にいた。





夢を見ていたんだ。





そして、目の周りにはじわっと涙が溢れていた。








最近はめっきり春で


空気がふんわりしている。


東北の桜は散ってしまったが、遅咲きの桜が窓から見えて


ピンク色に和んでいる。




あまりにも鮮明な夢だったので


ぼんやりと余韻に浸っていた。




夢に出てきた、彼女だが、


現実の世界では数年前に亡くなっていた。


男の子が2人いて、シングルマザーだった。



私よりも10歳ぐらい年上で、落ち着いた声が好きだった。


仕事もできるのに関わらず


プライベートでは、少女のようなところがあった彼女



特に恋愛下手で、素敵な愛を夢見ている彼女に対して


親しさもあって現実を見なさいと突っ込んでは飲みながら盛り上がった記憶がある。


ビールが好きで、教養もあって、お茶目で、子煩悩で、不器用。


人が良くて騙されやすい。ダメンズに惚れやすいのだ。




起業した当時、


一匹狼の如く、誰とも群れられなかった。


暇凌ぎに起業しているような部活みたいな空気が好きじゃなかったからだ。



とんがっていて、世間知らずだった。



そして、今もその尖りがまろやかになっても


暇を凌ぐためだけに、群れるのは好きじゃない。




そんな私だから、べったりといつも一緒にいるっていう関係はしない。


けれども「理解しあえるな」っていう人とは付き合いが長く


ただの慰め合いじゃなく生き方を応援できるような友人が多い。



私は、彼女にそういうものを感じていた。







彼女の死を知ったのは、去年末。



元々、癌になったことがある


というのは知っていた。



でも、再発しているとは思ってなかったし、


再発したのが直接的な原因ではないかもしれない。



なにぶん、当人以外に言われる以外で


人のことを詮索しない。だからわからないが。


亡くなったのは事実だ。





疎遠だった。


けれども、遠くで応援していた。



だから、彼女が亡くなったことを知ってすぐに


彼女が愛した子供達を置いての旅立ちは辛いだろうなぁと思った。




彼女のことだから、自分が逝くことは仕方ないっていうかもしれない。



「それが自然の摂理だよ、綾ちゃん」って言うかもしれない。




けれども、彼女は子供達を愛していたから


まだ一緒にいたかっただろうな、と。





人は、自分がなくなるタイミングは選べない。


だから怖いし、それに怯えてしまう。



けれども、私の中には


彼女の存在が残っている。確かな彼女の存在がある。



今朝の眠りは


あの世の様子を見に行ってきたんじゃないか〜?と思う夢だった。





今考えれば、狼はケルベロスだったのかしらん。


0件のコメント
bottom of page